免疫組織化学染色による
アミロイドーシス病型解析法
Analysis method
熊本大学アミロイドーシス診療センターでは、アミロイド沈着が確認された病理組織検体を対象として、各種アミロイド原因蛋白質に対する抗体パネルセットを用いて免疫組織化学染色を行い、アミロイドーシス病型解析のサポートを行っています。
本解析の費用負担はございません。熊本大学脳神経内科学に配分された研究費により、本解析を実施いたします。抗体パネルの一部は、厚労省難治性疾患政策事業「アミロイドーシスに関する調査研究班(内木班長)」より供与を受け実施し、研究班の病理診断コンサルテーション活動の一部として実施しています。
無料で解析いたします
Please cooperate免疫組織化学染色は無料で実施致します。本アミロイドーシス病型解析(免疫組織化学染色)は、「検体検査の精度確保に係る改正医療法(平成30年12月1日施行)」上における、「診療行為としての検体検査の要件」を一部満たしていないため(管理体制、標準作業書、作業日誌、台帳、内部精度管理の要件は満たしていますが、病院施設内ではなく大学内研究室で解析を実施しているため)、「診療の用に供する検査」ではなく「研究」として位置づけ実施しています。最終的な診断、治療方針に関しましては、臨床症状と合わせてご判断頂くことになります。また「研究」として実施するため、同意書を頂いています。お手数をお掛けいたしますが、ご理解、ご協力の程、よろしくお願いいたします。
高い精度での解析
High accuracy本解析は、病理検査室で用いられる自動染色装置医療機器である「ダコ Autostainer Link 48※」と、専用のEnVision FLEX免疫組織染色用検出システムを使用し、高い精度で解析しています。
※ダコ Autostainer Link48、13B3X10204000001、自動染色装置特定保守管理医療機器
総合的に判定致します
Comprehensive judgment-
1
コンゴレッド染色(偏光顕微鏡下で観察)
- ※ 過マンガン酸処理は行いません。
-
2
免疫組織化学染色
- 通常のスクリーニングでは以下の抗体パネルを用いて解析しています
- ATTR
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- Rabbit anti-TTR115-124 antibody
(アミロイド特異的抗体)* - Rabbit anti-TTR antibody (DAKO)
- Rabbit anti-TTR115-124 antibody
- AL (kappa)
-
- Rabbit anti-light chain kappa 116-133 antibody
(アミロイド特異的抗体)* - Rabbit anti-light chain kappa antibody (DAKO)
- Rabbit anti-light chain kappa 116-133 antibody
- AL (lambda)
-
- Rabbit anti-light chain lambda 118-134 antibody
(アミロイド特異的抗体)* - Rabbit anti-light chain lambda antibody (DAKO)
- Rabbit anti-light chain lambda 118-134 antibody
- AA
-
- Mouse anti-AA antibody (DAKO)
*アミロイドーシスに関する調査研究班(内木班長)より供与
Hoshii, et al., Pathol Int, 51: 264-270, 2001
必要に応じて以下の抗体を用いて解析を行います
- Aβ2m
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- Rabbit anti-beta-2-macroglobulin antibody (DAKO)
- AANF
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- Mouse anti-ANP antibody (GeneTex, GTX42702)
- AApoAI
-
- Rabbit anti-apolipoprotein AI monoclonal antibody (abcam, EP1368Y)
- AFib
-
- Rabbit anti-fibrinogen antibody (DAKO)
- AH
-
- Rabbit AH1, AH2 antibodies**
- AEFEMP1***
-
- Mouse anti-Fibulin-3 (EFEMP1) antibody
(SantaCruz, Sc-33722(mab3-5))
- Mouse anti-Fibulin-3 (EFEMP1) antibody
- ALECT2, AKer, ALac など
(必要に応じて順次追加します)
**信州大学 矢崎先生より供与
Nakagawa, et al., Pathol Int, 71: 245–254, 2021
***加齢関連静脈AEFEMP1アミロイドーシス
Tasaki, et al., J Pathol, 247: 444-455, 2019
組織アミロイド質量分析をご案内する場合
免疫組織化学染色で、アミロイド原因蛋白の判定が困難な場合がございます。その際は、必要性に応じて、組織に沈着したアミロイドの質量分析(LMD-LC-MS/MSによるプロテオミクス解析)の実施を改めてご案内させていただく場合がございます。
詳しくはこちら >申し込みに必要なもの
Things to prepare依頼書 アミロイドーシス病型解析依頼書
同意書 アミロイドーシス診断サポート解析の同意書
検体 未染色の組織切片スライド20枚
送付方法
Sending method-
薄切 (3~5μm) した未染色の組織切片スライド20枚をお送りください。
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「アミロイドーシス病型解析依頼書」、「同意書」と共に検体をお送りください。
ご確認ください
- 同一患者様の複数臓器の病理切片をご送付される場合は、それぞれ異なる箱に入れてください。
また、それぞれの臓器部位が分かる様に、箱の外面に臓器部位をご記載ください。 - 組織切片スライドの作成が困難な場合は、病理組織ブロックをお送りいただいても結構です(解析終了後に返却いたします)。
- 受け取りを確実にするため、検体発送の際には当方への到着が土・日・祝日にならないようにご配慮ください。
- お送りいただいた発泡スチロールの箱や、スライドガラスの箱は、返却しておりません。
- 染色済みプレパラートは通常は返却していませんが、ご希望によりお送りすることは可能です。その際はご連絡ください。
解析期間の目安
Period- 〜2週間程度(特にお急ぎの場合は、ご相談ください)
病型解析(免疫組織化学染色)
ご依頼の流れ
Flow
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step 1
まずはお問い合わせください
以下の事項を必ずご記載ください。
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● 担当医の名前
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● 診療科
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● 所属機関
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● 対象症例の年齢
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● 性別
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● 主訴
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● 臨床診断
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◆ 解析予定の臓器部位を記載
ご希望される依頼内容
□ アミロイドーシス病型解析(病理検体の免疫組織染色)
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step 2
担当者からメールで内容に関する確認
申込書、同意書、検体送付方法などを返信いたします。
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step 3
検体、申込書などを熊本大学へご送付
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◆ 未染色スライド20枚を、申込書、同意書と共に送付。
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◆ 平日着でのご送付をお願い致します。
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step 4
検体受け取りの連絡(メール)
検体の受け取り後にメールにてご連絡いたします。
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◆ 平日着でのご送付をお願い致します。
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step 5
結果の報告
到着後、〜2週間程度で報告。
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◆ 結果は基本的には郵送でのご報告となります。
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※ 抗体パネルを用いた免疫組織化学染色で同定困難な場合は質量分析による解析をご提案いたします。